立派な株に育つコウモリランの育て方4つのポイントと株分け方法

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最近、植物雑誌やインテリア雑誌なのでも取り上げられている注目の植物“コウモリラン”。

その風貌は一見、不気味な形をしていますが、見ているうちに何とも可愛らしく、かっこいいと思えてしまう不思議な魅力をもっています。

しかしその独特なフォルムに「上手く育てられるかな?」「育てるのは難しんじゃないの?」と購入をためらう方や、「買ったのはいいけれど、育て方が良くわからない」、「今の管理方法で元気に育っているのかな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実はコウモリランは育て方のコツをつかめば、丈夫で育てがいのある植物でもあります。

ここではそんなコウモリランの育て方を4つのポイントに絞って紹介します。このポイントさえ押さえておけば、立派で存在感のある株に育ってくれるでしょう。

また、大きくなり過ぎたコウモリランをどうやって株分けしたらよいのか悩まれている方のために、株分け方法を含むコウモリランの増やし方まで併せて紹介していきます。

目次

1.コウモリランの自生地での姿とその特徴

1-1.コウモリランの生態

1-2.コウモリランの自生地

1-3.コウモリランの自生地での姿

1-4.コウモリランの持つ特殊な葉の特徴

2.立派な株に育つ!コウモリランの育て方4つのポイント(初級者編)

2-1.一目でわかるコウモリランの日当たり条件

2-2.水やりで失敗しないための3つのテクニック

2-3.温度管理で守ってほしい、たった一つの条件

2-4.立派な株に育てる正しい肥料の与え方

3.コウモリランの増やし方~株分けの手順と胞子から増やす方法~(中級者編)

3-1.わかりやすい株分けの手順

3-2.コウモリランの赤ちゃんがいっぱい!胞子から増やす方法

4.まとめ

関連記事:コウモリランの飾り方『コウモリラン~独創的なフォルムを活かした最高にかっこいい飾り方~

コウモリランの種類『コウモリラン種類~森の王冠、ジャングルの女王など原種全18種~

1.  コウモリランの自生地での姿とその特徴

コウモリランをイキイキと立派な株に育てるにあたって、まずはコウモリランの原生地や、その特徴を知っておくことが何よりの手掛かりになります。

手っ取り早く育て方だけ知りたい!という方も多いかもしれませんが、元気で丈夫な株を育てるためにも、ここは我慢して読み進めてください。

1-1.コウモリランの生態

コウモリランは「蘭」の仲間ではなく「シダ」の仲間で、ウラボシ科・ビカクシダ属の植物で、他の木や岩石などにくっついて生活する“着生植物”です。

一般的にはコウモリランの名前で流通していますが、学名ではプラティケリウム“platycerium”、和名では「麋角羊歯(ビカクシダ)」と言います。

1-2.コウモリランの自生地

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コウモリランは図のようにアフリカやマダガスカル、東南アジア、太平洋諸島、オーストラリア、南アメリカの熱帯地域と世界に幅広く分布し、原種は18種存在しています。

1-3.コウモリランの自生地での姿

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コウモリランの自生地では、雨季と乾季がハッキリと分かれています。

雨季は雨が多く、気温が下がり(それでも熱帯なので日本よりはかなり暑い)、乾季は雨が何日も降らず、気温がかなり上昇する状態です。

このような環境に適応する為に、「胞子葉」、「貯水葉」という特殊な葉が発達しました。

1-4.コウモリランのもつ特殊な葉の特徴

コウモリランの葉は「胞子葉」と、青丸の「貯水葉」の2種に分かれており、それぞれの葉にはとても大切な役割があります。

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1-4-1.胞子葉

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「繁殖葉」とも呼ばれ、上の写真(左)のように裏側には胞子を付け、シカの角に似た大きく成長する葉です。

また品種にはよりますが、上写真(右)のように、葉の表面がシルバーにも見える白い毛で覆われています。
この毛は「星状毛」と呼ばれ、原産地での強力な日光を反射し、葉を守る役目があると共に,水分の蒸散を防ぎ,害虫から葉を守る役目も果たしています。

1-4-2.貯水葉

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「外套葉」、「栄養葉」、「泥除け葉」、「落ち葉止め葉」などと色々な呼び方があり、こちらの葉も星状毛が存在します。
株元に新しい葉が出るたびに自身を覆って成長します。
また貯水葉は上の写真(左)のように、枯れて茶色に変わっていきますが、水分や養分を蓄えるスポンジのような役割を果たします。
枯れたからといって取り除かないよう注意しましょう。他にも自身を木に着生させる支えになる大切な役割も果たします。
更に、多くの種類は貯水葉の上部が手の平を上に広げたように広がります。
これは上から落ちてくる落ち葉や虫の死がい、鳥の糞などをかき集め、それが細菌により分解され、株の養分として吸収するためでもあります。

また、自らの枯れた貯水葉も細菌により分解され、自身の養分に変えてしまうという特殊な性質を持っています。
この貯水葉は過酷な環境下で生きぬくために、独自の進化してきたコウモリランだけが持つ特殊な葉の形態ともいえます。

ここまで簡単にコウモリランの自生地での生態や特徴について紹介しました。
読み進めていただいた方はお疲れ様でした。つづいて育て方を紹介していきます。

2.立派な株に育つ!コウモリランの育て方4つのポイント

ここからコウモリランの育て方を普及種の「プラティケリウム・ビフルカツム」をメインに4つのポイントに絞って紹介します。

このポイントを、押さえておくとコウモリランはイキイキとした立派な株に育てることができます。

① 一目でわかるコウモリランの日当たり条件
② 水やりで失敗しないための3つのテクニック
③ 温度管理で守ってほしい、たった一つの条件
④ 立派な株に育てる正しい肥料の与え方

まず頭に置きたいのは、「1.コウモリランの自生地での姿とその特徴」で紹介した自生地での特徴です。管理する環境をコウモリランの自生地の環境に近づけてあげることをイメージするのがコツです。

それぞれ解説していきます。

2-1.一目でわかるコウモリランの日当たり条件

まずはコウモリランを育てるにあたり最も気がかりなのが置き場所ではないでしょうか。
「どの部屋なら元気に育つのだろうか」、「置きたい部屋は日光が当たらないけど大丈夫かな」とお悩みの方もいるでしょう。
そこで置き場所の基準がわかりやすいように、下の写真を元に解説していきます。

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コウモリランの置き場所として最適な場所は①、②です。

シダの仲間ということで、日陰をイメージする方も多いと思いますが、コウモリランは疎林にしか分布しないと言われているので、①・②のような明るい環境が最適です。日に当てることで強くガッチリした株になります。

④のような暗めの日陰でもしばらくは生育可能ですが、長期間このような暗い場所に置いておくと、次第に元気が無くなり貧弱な株になってしまいます。

また、冬以外は屋外でも育成は可能です。春・秋は軒下などに出して、日光浴をさせてください。
夏になると日差しが強すぎる為、直射日光を避けて、明るい日陰などに置いてください。

室内で生育していたコウモリランを屋外に出すときには以下の2つのポイントに注意してください。

・室内から屋外に出す場合はいきなり太陽光に当てず、③→②→①→屋外というように1~2週間程かけて徐々に日光に慣れさせること。
・夏場の直射日光は“葉やけ”の原因になるので避けること。

また園芸店などで遮光ネットを購入し、強すぎる日差しを遮ることも一つの手です。

2-2.水やりで失敗しないための3つのテクニック

コウモリランを枯らしてしまう一番の原因とされているのが「水やり」です。
コウモリランは2~3日水やりを忘れたぐらいで枯れることはまずありません。しかし水を与えすぎることも良くありません。
一見難しいようですが深く考えず、以下の3点をしっかりと頭に入れて水やりを行いましょう。
このポイントを押さえておけば、水やりでコウモリランを枯らす心配はありませんので、ぜひ覚えておいてください。

① 水ゴケや土壌が乾いたら水を与える。
② 水ゴケや土壌が乾くまで水を与えない。(乾くと鉢や株がとても軽くなる)
③ 貯水葉の中にまでしっかり水が行きわたるようにする。

またコウモリランは‘鉢植えタイプ’・‘活着タイプ’・‘ハンギングタイプ’のいずれかのタイプになっています。
それぞれのタイプ別に水やりのポイントを見てみましょう。

2-2-1.鉢植えタイプ

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まずは鉢に植えられているタイプ。ここでのポイントは3つ。

① 土壌の乾き具合を手で触ってみて確認する。
② 鉢を深めの受け皿やバケツなどに入れ、そこへ水を貯め、鉢の下から吸わせる。
③ 受け皿などに水を貯めておくと、数分後には全て吸い上げてしまうことがある。その時はまた水を足してやり、吸い上げなくなるまでしっかりと水を与え、受け皿に残った水は捨てる。

貯水葉が覆いかぶさり表土が見えず、土に水をかけられないことがあるため、このような水やりを行います。

2-2-2.活着タイプ

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木の板などに着生されているタイプ。主に水ゴケが貯水場の中に入っています。ポイントは3つです。

① バケツやボールのような深めの入れ物や、洗面器などに水を張り、板ごと付ける。
② 水ゴケは水が染み込むまでに少し時間を要するので10分程度つけておく。
③ 鉢植えに比べ乾きが早いので水切れに注意すること。

①は下の写真のような要領で。

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2-2-3.ハンギングタイプ

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吊り下げタイプで、鉢や板がついておらず、コウモリランがグルリと水苔を覆っています。こちらもポイントは3つ。

① バケツやボールのような深めの入れ物や、洗面器などに水を張りざぶっとつける。
② 水ゴケや根にしっかりと水がしみるように、10分程度つけておく。
③ 活着タイプ同様に乾きが早いため、水切れに注意する。

2-3.温度管理で守ってほしい、たった一つの条件

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次はコウモリランの温度管理についてです。こちらのポイントはたった1つだけ。

①10℃以上の温度を保つこと。

コウモリランは熱帯植物だけあって寒さに弱いです。10℃を保てる環境が望ましく、最低でも5℃以上の環境を保ってあげると良いでしょう。(品種によっては最低10℃必要な種もあります。)

※ 個体差もありますが、九州地方などでは年中屋外で管理されているビフルカツムをたまに見かけます。
断水などで乾燥状態にした場合は、氷点下にならない限り冬越しは出来ます。しかし安全のため、冬場は暖かい部屋、リビングルームなどに置くことをお勧めします。

尚、 暑さに関しては何℃以上あるとダメということはありません。高温を好みますので、暑い時期は風通しの良い場所で管理してあげると良いでしょう。

2-4.立派な株に育てる正しい肥料の与え方

上記の3つのポイントをしっかり押さえておけば、問題無くコウモリランを育てることができます。
しかし、意外とコウモリランは肥料が好きなので、肥料を与えるとより大きく立派な株に育てることができます。

肥料の与え方のポイントは以下の通り。

成長期(春・秋)には2ヶ月に1回、緩効性の化学肥料または生油粕の「置き肥」を与える。

肥料を与える場所は下の写真の矢印のような場所。重なっている貯水葉の中(裏側)、もしくは鉢の片隅に適量与えます。

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おすすめの肥料は以下の商品です。

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肥料を与えるとコウモリランは更にイキイキと元気に生長します。しかし肥料の与えすぎは枯れる原因にもなります。肥料を与え方に自信がない方は『観葉植物の正しい肥料の与え方と、絶対に注意したい5つの勘違い』を読んでおかれるといいでしょう。

3.コウモリランの増やし方~株分けの手順と胞子から増やす方法~(中級者編)

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ここからは大きくなり過ぎたコウモリランをどうやって株分けしたらよいのか悩まれている方や、コウモリランが好き過ぎて、部屋中にコウモリランを飾りたい!という方のために、コウモリランの株分け方法を含む増やし方をご紹介します。

コウモリランの増やし方は「株分け」と「胞子から増やす」の2種類です。
どちらも時期は春~夏にかけてが理想です。

一見とても難しそうですが、やってみると以外と簡単にできてしまうかもしれません。やってみる価値は十分にありますので、興味がある方もぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

3-1.わかりやすい株分けの手順

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上の写真のようにコウモリランが大きくなりすぎていたり、色々なところから子株が出てきている株は「株分け」するのに適しています(ここまで大きな株育てるのも大変ですが)。「株分け」をすることにより、コンパクトで数多くのコウモリランを創り出す事が出来ます。

用意する道具は4つ。

ワイヤー、キリ(千枚通し)、ハサミ、水苔です。キリの代わりにインパクトドライバーあると更に便利です。

手順は以下の通りです。

① まず初めは、胞子葉を中心にして円を描くように子株の部分を切り取ります。

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この時、胞子葉が折れたり、傷をつけたりしないように注意してください。

② 板に水苔を敷き、その上にコウモリランを置きます。

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その周りにキリ(インパクトドライバー)で3ヶ所程、板とコウモリランを固定するワイヤー用の穴を空けます。

③ 次に先ほど空けた穴にワイヤーを通し、板とコウモリランを固定していきます。

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この時ワイヤーを絞めすぎないように注意しましょう。板を立ててもコウモリランが落ちてこないければOKです。

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これで完成です。

どうですか?やってみると以外にも簡単にできそうでしょ。「株分け」をぜひともお試し下さい。

3-2.コウモリランの赤ちゃんがいっぱい!胞子から増やす方法

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日光の良く当たる、良い環境などでコウモリランを育成していると、「胞子」を付けることがあります。実はこの「胞子」からコウモリランを増やすことが可能なのです。

こちらは用意する道具は3つ。

保水性のある土(水苔でも可)、スプーン、タッパ(深めの受け皿でも可)以上です。

手順は以下の通りです。

① 葉の裏に付いた胞子をスプーンで削り取ります。

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この時、下にたくさんの胞子が落ちるので、新聞紙などを敷いて、床に胞子を散らからないようにすると、後で掃除が楽です。

② タッパ(今回は深い受け皿を使用)に湿らせた土を敷き、その上に胞子を蒔きます。

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常に湿らせた状態を保ちたいので、タッパの蓋(受け皿の場合はラップで蓋)をして完成。
常時20℃くらいの気温で、明るい日陰で管理し、表土が乾かないように、こまめに霧吹きをしてあげると良いでしょう。

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成功すると、このようにコウモリランの赤ちゃんがいっぱい出てきます。命が新しく生まれる瞬間は感動です。こちらは決して簡単ではないですが、試してみる十分に価値はありますね。

これらの方法でコウモリランをいっぱい増やして、丈夫な株に育てていくと…

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こんな部屋や…

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こんなアイテムを作って、部屋をいろいろとアレンジすることができるようになります。
もちろん時間がかかりますが、ここで紹介した育て方や増やし方を参考にして、『コウモリラン~独創的なフォルムを活かした最高にかっこいい飾り方~』に紹介している飾り方や楽しみ方を参考にすると、インテリアの幅がぐっと広がってコウモリランを飾ることがより楽しくなってくるでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしたでしょうか。

ここで紹介したポイントを押さえて育てれば、コウモリランは丈夫にイキイキと育ってやがては立派な株になってくれるでしょう。

育て方で迷ったら、またこの記事を読み返して、存在感のあるコウモリランを育ててください。

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コメントはこちらからどうぞ

  1. なお より:

    はじめまして、購入した植物名がミクロソリウムと記入してあり、どのような環境で育てたら・・・と調べたら、水中植物しか出ませんでした。コウモリランと思ったら違いました。コウモリランより葉の幅が短く上に立ち鶏のトサカのようにビロビロです。見た目南国風味満載です。
    この葉っぱはなんでしょうか?
    鉢にギュッと入っているので、土を崩して株分けして余裕ある鉢に入れても良いでしょうか?

    1. 井上 桂樹 より:

      なお様

      こんにちは。それはもしかするとミクロソリウムではなく、ミクロソルム(別名:カンガルーファン)と呼ばれる植物かも知れませんね。シダ植物の仲間で、コウモリランと同じウラボシ科に属する植物です。一度調べてみて、ミクロソルムであれば、株分けしても大丈夫ですよ。

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