
サボテンの植え替えは何となく面倒で、失敗して枯らしたら...と思うと、何となくさけたくなるものです。
でも、植え替えを決意したのであれば、「失敗しない植え替えの方法をはっきり知りたい。」そうお考えではないでしょうか。
ここでは植え替えに失敗することなく、元気に育つサボテンの植え替え4つのポイントと、植え替えの手順を分かりやすく説明していきます。
植え替えのポイントをおさえ、手順通りに進めれば、失敗する可能性は確実に下がりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.植え替えのタイミング
2.元気に育つサボテンの植え替え4つのポイント
3.植え替えの手順
4.まとめ
関連記事:サボテンの育て方『4つのポイントをおさえるだけ!元気なサボテンの育て方』
サボテンの土の作り方『イキイキ育つ!サボテンに最適な土の作り方と見分け方』
多肉植物の植え替え『多肉植物の植え替え~【生育タイプ別】元気に育つ3つのポイント~』
1.植え替えのタイミング
まず植え替えが必要かどうかを知るために、以下の状態になっているかをチェックしてみてください。
☐株が大きくなり、鉢とのバランスが悪くなっている。
☐鉢の底から根が張りだしている。
☐水はけが悪くなってきたと感じる。
☐一年以上植え替えを行っていない。
ひとつでもチェックが付いたら植え替えのタイミングです。
鉢植えのサボテンは、長い間植え替えないでいると、鉢土の団粒構造が崩れ、水はけが悪くなり、根腐れを起こしやすくなります。また土の中の栄養素が減ってしまい、生育も悪くなってしまいます。そのためサボテンは定期的な植え替えをする必要があります。
特にサボテンは、植え替えをすることで順調に育っていく植物ですので、できれば毎年一回は植え替えを行いましょう。
なかなか大変ですが、サボテンを長く楽しむために、ぜひ覚えておいてください。
2.元気に育つサボテンの植え替え4つのポイント
植え替え時に以下の4つのポイントを押さえれば、失敗する可能性がグッと下がり、サボテンが元気に育っていきます。
①植え替えは春と秋に行う。
②サボテンに合った土を選ぶ。
③元肥を施す。
④バランスに合った鉢を選ぶ。
それぞれ解説していきます。
2-1.植え替えは春と秋に行う
植え替えは春(4月下旬~5月下旬)、秋(8月中旬~9月中旬)が適期です。
サボテンの植え替えは生育期に入る直前に行うのが一番効果的。
種類によっては生育期は異なりますが、上記の期間を目安にしておけば特に問題はありません。
また、サボテンは年中いつでも植え替えができる都合のよい植物ですが、寒すぎたり、暑すぎる季節は慎重な注意と経験がないと失敗することもありますので、春と秋だけに行う方が無難です。
2-2.サボテンに最適な土を選ぶ
サボテンは最適な土を選んで植え替えることで元気に美しく育っていきます。
最適な土には以下の5つの条件があります。
・通気性が良い。
・排水性が良い。
・保肥力がある。
・粒が細かく均等の大きさである。
・適度に保水性がある。
これらを満たした土は次の方法で作ることができます。
2-2-1.最適な土の作り方
サボテンに最適な土は以下の土を表記の割合で混合することで得られます。
①赤玉土(小粒・4割)
②鹿沼土(小粒・2割)
③日向ぼら土(小粒の軽石・2割)
混合の方法については『イキイキ育つ!サボテンに最適な土の作り方と見分け方』をご覧ください。
2-2-1.市販の土を活用する
混合に手間と時間がかかって面倒だと思われる方は、市販の土を活用してください。
特に以下の商品はおすすめです。
①ゴールデン培養土
団粒構造と小粒軽石がバランス良く配合されており、水はけが非常に良いいです。
さらに根張りも良いいうえに、害虫等の混入を防ぐために加熱処理してあります。
②プロトリーフサボテン・多肉植物の土
植物にとって理想的な物理性・化学性を実現した専用の用土です。
原材料には赤玉土、鹿沼土、バーク堆肥、木炭、パーライト軽石等が使用されています。
このほかにもサボテン用の土であれば特に問題はありませんので、好みで使ってください。
2-3.元肥(もとごえ)を施す
サボテンは必ずしも肥料が必要ではありませんが、肥料を与えることでより生育が良くなり、大きく育ちます。
通常、観葉植物は鉢土の上に固形肥料を置いたり、液肥を与えるのが一般的ですが、サボテンのように水を与える回数が少ない場合は、置き肥が土に浸透していかないので、植え替え時に元肥(もとごえ)という方法を使います。
2-3-1.元肥(もとごえ)の与え方
植え替えの際に、肥料を一緒に植えこむことを元肥といいます。
ゆっくりと効き目の続く緩効性肥料を適量鉢底に入れるだけです。
おすすめの肥料は以下の商品。
元肥を与えるタイミングは植え替え時ですので、チャンスを逃さず与えてください。
2-4.適したサイズの鉢に植え替える
鉢のサイズは株の葉張りよりひと回り大きな鉢がベスト。
大きすぎる鉢に植え込むと土が乾きにくくなるため、根腐れの危険があるため避けましょう。
鉢の材質は素焼きや陶器のように通気性の良い鉢がベスト。
プラスチック鉢でも構わないのですが、サボテンは雨の少ない地域や、雨が降ってもすぐ乾燥するような土地に自生しているため、水を与えても土が乾燥しやすく、通気性のある素焼きや陶器の鉢が適しています。
3.植え替えの手順
それでは実際に植え替えをしてみましょう。
準備するものは以下の通り。
①一回り大きな鉢
②「サボテンの土」
③よく切れる剪定ばさみ
④割り箸(細い棒であれば可)
⑤「鉢底の土」または軽石
手順は以下の通り。と、その前に…サボテンは種類によりとても刺さると痛い棘を無数にもっています。植え替えの際は厚手の手袋をしたり、サボテンにキッチンペーパーや新聞紙などを巻きつけ、植え替えを行うと良いでしょう。
ここから手順に入ります。
①鉢の縁を軽くたたき、静かに根を抜き取る。
植え替えの1ヶ月前から水やりを控え、用土を乾かし気味にしておくと、根を痛めることなく容易に抜くことができます。
②古い土をもみ落とし、伸びすぎた根をカット。
長く伸びすぎた根は5㎝前後に切り詰めます。
注意点1.根を切る前に必ずハサミの歯を消毒すること
サボテンは見た目によらず繊細で、細菌に弱いという性質を持っています。剪定ばさみを使用する前に、はさみの刃の部分を熱湯消毒、もしくは火で炙り、消毒を必ず行ってください。
③鉢底の穴をネットでふさぎ、「鉢底の土」を2㎝程度入れる。
④サボテンの根を鉢に入れ「サボテンの土」で植え込む。
⑤鉢の淵を添うように割り箸で突き、用土を馴染ませる。
この時根周りを強く押し付け、根を傷めないないように注意しましょう。
注意点2.植え替え直後の水やりは厳禁。
根を切ったサボテンは水が吸えず、根腐れしやすい状態のため、水は与えないように。
⑥キッチンペーパーもしくはティッシュペパーを1枚上にかける。
根がなじむまでの間、日当たりのよい窓辺や既定の置き場に戻します。植込み1~2週間後にティッシュペーパーは取り除き、はじめて十分に灌水します。
⑦完成
植物が健全で、気候が順調であれば、数日で新根が伸び、1ヶ月もすればしっかり根が張ります。これで植え替えは完成です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまでサボテンが元気に育つ植え替えのポイントと手順を紹介してきました。
この手順を実践することで植え替えに失敗する可能性はぐっと下がります。
それではまとめます。
1.サボテンの植え替えのタイミング
①株が大きくなり、鉢とのバランスが悪くなっているとき
②鉢の底から根が張りだしているとき
③水はけが悪くなってきたと感じるとき
④一年以上植え替えを行っていないとき
2.元気に育つサボテンの植え替え4つのポイント
①植え替えは春と秋に行う。
②サボテンに合った土を選ぶ。
③元肥を施す。
④バランスに合った鉢を選ぶ。
注意点1.根を切るときはハサミを消毒する
注意点2.植え替え直後の水やり厳禁
ここで紹介したポイントを参考にサボテンをどんどん元気に育てていってください。
1個のサボテンから今11個の子がくっついています。
根の部分から切り離して植えかえれば大丈夫でしょうか?
北村様
それは群生株ということでしょうか?
名前か写真があればお答えしやすいので、info@nettaien.comまで送っていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
植え替えの時、根の処理をして4日程乾かした方が良いのでしょうか?
サボテン自体はまだミニサイズです。
植え替えの時、根の処理をして4日程乾かした方が良いのでしょうか?
サボテン自体はまだミニサイズです。
M様
メッセージありがとうございます。
サボテンの植え替えについてですね。
サボテンの根を整理したときは、根を乾かすことが必須となります。
乾かす環境にもより4日では乾ききれないこともありますので、心配なようであれば、1週間ほど乾かすことも全く問題ありません。
また、土が乾き植え替えた後も、根を傷つけてしまっている恐れがあるので、1~2週間は水やりを控えましょう。
脳みそサボテンを育てて1年になります。
新芽(?)は脇からどんどん出てくるのですが、脳みそのようにならず、上へ上へ伸びるばかりです…。
どうしたらいいのでしょうか?
ゆか 様
メッセージありがとうございます。
お持ちの脳みそサボテンとは、元々サボテンの突然変異により奇形となったものを差し、珍しいものとしてとても人気があり希少価値があるとされています。
その突然変異のことを「綴化(セッカ・テッカ)と言います。
その綴化は育成環境(日光不足など)により元の姿に戻ることが良くあります。
これを「先祖返り」と言い、ゆか様の脳みそサボテンも先祖返りをしているのでしょう。
一度先祖返りしてしまった、部分を再び脳みそのようにすることは厳しいかと思います。
どうしてもその部分が気になられるようでしたら、熱湯などで消毒したカッターなどで伸びた部分カットされても良いかと思います。
ただし、カットした部分から菌などが入り枯れてしまうリスクもあるということを頭に入れておきましょう。
また現在サボテンを配置している場所を見直し、もう少し日光が当たる場所や風通しが良い所へ移動されてみてはいかがでしょうか?
そうすることでこれから生長する部分が再び脳みそになって出てくる可能性も十分あるかと思います。
はっきりとした対策方法が無く、ゆか様にご満足いただけるようなご回答が出来ず申し訳ありません。
今後とも脳みそサボテンを大切に育成されより大きく元気な脳みそサボテンを育成されて下さい。
私どもも応援しております。
サボテンを植え替えたのですが、説明にある、最後にティッシュペーパーなどを上にかぶせると書いてありましたが、なぜでしょうか?
教えてください!!
よろしくお願いいたします。
Yusuke 様
メッセージありがとうございます。
サボテンの植え替え後にティッシュペーパーなどを被せる理由は2つあります。
・植え替えをしたサボテンは大幅に体力を消耗した状態になります。
そんな状態のサボテンに強い日光を当ててしまうと、日焼けを起こしてしまう可能性が大幅に高くなり、それを防ぐ為。
・植え替えにより体力を奪われたサボテンが、それ以上に体力を消耗させない為
という事が言われています。
Yusuke様のご参考になれば幸いです。
納得しました。
ご返事、ありがとうございました。
Yusuke 様
ご丁寧にご返信いただき、誠にありがとうございます。
花の着いてるサボテンを植え替えてしまいました。水やりもしてしまつたが 大丈夫かしら?植え替えてから パソコンをみて 駄目だと思いましたが、何か良い方法はありませんか?
山本昌平 様
メッセージありがとうございます。
サボテンの植え替えをし、水遣りをされたのですね。
まず、今できることは鉢内の土を少しでも早く乾かしてあげることです。
鉢を網状の物の上に置くなどして少しでも風通しを良くし、気温の高いリビングなどに配置をし土が少しでも早く乾くよう心がけましょう。
サボテンが、大丈夫か否かは、今判断することはできません。今後の行動が非常に大切になってくるかと思います。
サボテンは、植え替えをすることで、根を傷つけていたり痛めてしまっている可能性が高くなります。
そこへ水を与えることで、根腐れ・幹腐れなどに繋がるケースが多くなります。
次回からは春・秋に植え替えをし、植え替え後は1・2週間たってから、水を与えるようにしましょう。
山本様のサボテンが、今後とも元気に活き活きと成長してくれることを心よりお祈り致しております。
元肥を施す、と書きながら
工程には元肥を施す場面が全くありませんが
どこにどう入れるのかわかりません…
匿名様
メッセージとご指摘をいただき誠にありがとうございます。
元肥は植え替えの際に、軽石を敷いた上に撒き、上から専用の土を被せ植え込むと良いですよ。
ご参考になれば幸いです。
匿名様のお持ちもサボテンの植え替えが成功し、今以上に
元気に活き活きと成長してくれることを心よりお祈り致しております。
また、元肥を施す場面は画像つきで、掲載させていただきます。
今後とも、何かお気付きの点などございましたら、お気軽にメッセージを頂ければ幸いです。
北村様
ハサミを熱湯や火であぶると、刃の部分にハガネが使われている物は
切れ味悪くなりますよ。