
育てている観葉植物に元気がなくなったときは、肥料をあげたら元気になるのかなとお考えではないでしょうか。でも「どんな肥料をあげたらいいんだろう。」、「肥料の種類が多すぎて何がいいのかわからない」とお困りではありませんか。
ここでは、いつどんな時にどんな肥料を観葉植物に上げたらよいのかをわかりやすく紹介します。ぜひ参考にしてください。
1.これだけは覚えてほしい!肥料の基礎知識
2. ズバリ!こんな時はこの肥料
3.正しい肥料の与え方
4.絶対に注意してほしい!!肥料の与え方よくある5つの勘違い
5.観葉植物の肥料とその種類
6.肥料と活力剤(アンプル)の違いって何?
1.これだけは覚えてほしい!肥料の基礎知識
肥料には三大要素と呼ばれる大切な成分があり、それを知っておくと観葉植物にどの肥料を与えればよいのかがはっきり分かるようになります。これだけは覚えておいてください。
肥料の三大要素
①窒素(N)…タンパク質を作り緑葉素の元になる成分で、葉や茎を育てます。
②リン酸(P)…植物の細胞質の成分になり、花と果実を育てます。
③カリウム(K)…植物全体の育成に大きな役割のある成分で、根や茎を育て、 病気や害虫に対する抵抗力をあげます。
市販されている肥料には、N5:P5:K5などと記載されています。15:15:20など、この数値が大きい程濃度が高くなります。施す量は少なくて済みますが扱いが多少難しくなります。
他にも観葉植物の育成には、カルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)イオウ(s)、鉄(Fe)銅(Cu)他5種類が必要ですが、まず肥料の三大要素とその役割を知っていれば肥料やりに困ることはないでしょう。
2. ズバリ!こんな時はこの肥料
ここでは、どんな時に何の肥料を与えたらよいのかを教えます。
さっそく見ていきましょう。
2-1.葉に元気が無い、茎が細く弱々しくなってしまった場合
観葉植物全般にはN:P:Kの比率が同じぐらいの肥料を選びましょう。なぜなら比率が同程度の肥料は、養分のバランスが良く、株を充実させてくれる特徴があります。さらに、あらゆる植物に適している万能タイプでもあり、種類を問わず植物を元気にしてくれます。
2-2.アンスリウムやグズマニアなど花が咲かない場合
花をつけたい時はリン酸(P)が多い、N:P:Kが6:10:6のような比率の肥料がよいでしょう。花をさかせるためには、多くのリン酸を必要するので、リン酸の比率が高いことで花つきを良くします。
1-3.卓上サイズの観葉植物に適した肥料
N:P:Kの比率がそれぞれ10以下の6:6:6など低濃度の肥料をえらびましょう。なぜなら成分比が低い分、根や植物にも負担が少なく、肥料のやり過ぎによる薬害もなく安心してご使用いただけるからです。
2-4.大型サイズの観葉植物に適した肥料
N:P:Kの比率がそれぞれ10以上の12:12:12など高濃度の肥料をえらびましょう。植物が大きい分必要となってくる養分も当然増えてくるからです。
3.正しいの肥料の与え方
ここまで、肥料の成分や種類について簡単に見て来ましたが、いよいよここからは、肥料をどのよう使って行けば良いかをご説明いたします。
3-1.植え替え時の肥料の与え方
観葉植物を植え替えるときなどに事前に土の中に混ぜ込む肥料のことを元肥(もとごえ、もとひ)と言います。元肥を与えるとしばらくは肥料を与える必要がなくなります。使用する肥料はじわじわと効き目が出る遅効性か緩効性のある肥料を使用します。
ただし肥料を与えるときは、肥料が根に触れないように!※「肥料焼け」を起こします。
元肥にはマグアンプK(中粒)などがオススメです! マグアンプは根に直接触れても大丈夫に出来ているので初心者にも安心です。
※肥料焼け…養分濃度が高くなりすぎ、根から水分を吸収するのではなく、水分を奪われて植物が傷んでしまうこと。人間で言うと食べ過ぎですね!
3-2.追肥
観葉植物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることを追肥(ついひ)といいます。追肥は水やりと同時に手軽に行え、すぐに効果のある速効性の液体肥料が便利!もしくは土の上に置く緩効性のある化成肥料(大粒)もありますが、ここではハイポネクスの液肥がオススメです!
3-3.肥料を与える時期(四季管理)
春
新芽が出はじめ観葉植物の育成が始まります。2か月に1回程、土の上の置く緩効性肥料を追肥しましょう。やがて成長期に入れば水やりの際に液肥・活力剤をあげて下さい。
夏
ほとんどの観葉植物の生育が活発になります。春に続き追肥をし、暑くなれば肥料の分解が早いので、水やりの際2週に1~2度液肥・活力剤を与えると良いでしょう。
秋
引き続き緩効性肥料を与えます。徐々に気温が下がり新芽の展開が止まってきたら既に土の上に置いてある肥料を取り除き、規定濃度のさらに半分の濃度にした液肥を2週に1回程施しましょう。
冬
休眠期と言い活動が鈍くなるので、肥料を与える必要はありません。しかし、室内の温度が常に高く観葉植物が新芽の展開があるようであれば、規定濃度のさらに半分の濃度にした液肥を引き続き2週に1回与えましょう。
ほとんどの観葉植物は、最低気温が15℃以上になる、春から初秋(5月~10月頃)にかけて成長しますのでその時期に与えるようにします。特に春先は生長期にあたり大量の養分を必要としますので、肥料の与えすぎに注意しつつも、怠らずに与えましょう。冬は成長がストップするので肥料は与えません。
注意:生長期でも、観葉植物の環境によっては(光が当たらないなど)、多くの肥料分を必要としない場合があります。
3-4.肥料を与える頻度
観葉植物に肥料を与える頻度は種類によって違いますが、目安として固形肥料は2か月に1回です。
液体肥料であれば、使用する肥料の「使い方」に必ず何倍希釈で、週1回なのか月に1回なのかを記載されていますので、事前に確認されてから御使用ください。
4.絶対に注意してほしい!!肥料の与え方よくある5つの勘違い
肥料は間違えた与え方をすると観葉植物を枯らしてしまう危険があります。ここではよくある5つの勘違いについて説明します。
4-1.肥料は与えすぎてもダメ!!
観葉植物を早く元気したいからと言って、肥料を毎日与えたりすると観葉植物は枯れます!肥料をたくさん与えすぎると、土の中の肥料濃度が高くなり、根から栄養を吸収出来なくなるとともに、根の水分を逆に奪われ、観葉植物の元気がどんどん無くなくなり、最後には...適正量を適正頻度で与えるようにしましょう。
4-2.グッタリした観葉植物には、チョット待った!!
すでに弱ってしまっている観葉植物は根が傷んでいる可能性大!!その場合の肥料は逆効果です!まずは、水の不足・根詰まり・不適当な栽培環境などではないかを確認し問題解決を図りましょう。肥料を与える場合は規定量より薄めた液体肥料を霧吹きで、葉や茎部に散布(葉水)し様子を見ます。土に肥料を与えているわけではないので、根に負担がかからないので安心です。
4-3.肥料を混ぜてはダメ!
肥料の効果を高めたいがために、複数の液肥を混ぜる・他の農薬と混ぜる。絶対にやめましょう、化学反応を起こすことがあり大変危険です。
4-4.肥料を欲しがらない観葉植物もあります!
観葉植物によっては、サボテンなど肥料をあまり必要としない植物もあります、肥料の特性と共に、肥料をあたえる植物の特性もしっかり頭に入れておきましょう。
4-5.植え替え直後の追肥はダメ!!
植え替えをしたばかりの観葉植物に追肥や液肥を与えることは厳禁です。植え替えしたことで、植物は根を傷めています、そんな根に肥料を与えると肥料焼けを起こします。追肥は植え替えから2週間はあけて下さい。
5. 観葉植物の肥料とその種類
観葉植物の肥料には大きく分けて4種類のタイプがあり、それぞれ用途が異なります。ここではその4種類について簡単に説明します。
5-1.有機肥料
油かすや鶏糞、魚粉や骨粉など、天然の養分からなる肥料です。施肥後、土の中の微生物が肥料を分解した後発酵し、植物が吸収するため、遅効性(ゆっくり効いて効果が持続する)があります。しかし、観葉植物が※肥料負けする事は少ないですが、臭いがあるものがあり、室内には向きません。無臭の有機肥料も売られていますので探してみると良いかも知れません。また成分比率がわからないものが多く使い方が難しいです。
※肥料負け…「肥料障害」「こえ負け」と同じ意味で、肥料の与えすぎによって、根が負けてしまい成長の勢いがなくなる。また植物が枯れ込んでしまうこと。
5-2.無機肥料
化学的に合成された養分からなる扱いやすい肥料で、成分量が高く、速効性(すぐに効果が表れる)があるものが多く、臭いは気にならないと思います。一般的には、三大要素を混合し形成した「化成肥料」が使われています。
5-3.固形の肥料
小粒・中粒・大粒があり、規定量を土の中に埋めたり、土の上に置いたりする肥料(置き肥)です。鉢内の水分によって、少しずつ肥料が溶け出し2~3ヶ月あるいは、数年と効果が持続するという特徴があり、「緩効性」(与えたときから肥料効果が表れ、ある程度の期間効果が持続する肥料のこと)がある肥料です。
5-4.液体の肥料
液体の肥料はそのまま使えるものもありますが、規定量を水で溶き水遣りと同時に施します。手軽で使いやすく施すとすぐにその効果が出ますが、水とともに流れ出すのも早く、その効果は1週間くらいしか持続しないといった特徴があり、「速効性」がある肥料です。
6.肥料と活力剤(アンプル)の違いって何?
「活力剤」と呼ばれている製品は肥料ではなく、観葉植物の活性を高めることを目的としており、肥料との併用が必要となります。
主に次の2つのタイプがあります。
①低濃度の肥料成分が入っている製品
②観葉植物の活性を高める製品
どちらも肥料としての要素がないため活力剤だけでは観葉植物に充分な栄養を補給することはできません。肥料をメインとして使い「活力剤」あくまでサブとしてご使用ください。肥料と併用した場合、活力剤は観葉植物をぐっと元気にしてくれる力を持っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
肥料は正しく使うことで観葉植物を元気に育ててくれます。ここで紹介した方法をぜひ参考にして、大切な観葉植物をイキイキと育ててあげてください。
マンション、部屋の北側にテラス。何もないと殺風景ですのでプランタンで観葉植物を植えたいと考えております。
日あたりは春、夏で午前10時まで、秋冬は、ほんの1時間程度。
極端に言いますと、緑色なら何でもよい。眼の保養が目的。大きく育つものが望ましい。
日陰でも成長する植物を教えてください。またその入手方法。どうぞよろしくお願いします。27.9.12
江中様
コメント拝見しました。
日照時間がきわめて少ないですね。
またこれからの季節は気温が下がっていく一方ですので、観葉植物にとっては厳しい状況と言わざる負えません。
しいてあげるなら、日陰に強い庭木などが良いかもしれません。
たとえば低木のアオキ、ハラン、ギボウシ、シダ系。
中木のカクレミノ、ハイノキ、ソヨゴ、ヒメシャラなどでしょう。
これらの庭木は、寒さにも強いので、一年を通じて外で管理できます。
入手方法は、庭木専門の販売サイトから購入可能です。
ここに挙げた種類以外にも“陰樹”(日陰に強い樹)で調べてみると、もっと面白いものが見つかるかもしれません。
目的に合った植物が見つかるといいですね。
以上、参考になれば幸いです。