オーガスタ~オシャレな飾り方とよくある6つのトラブル対処法~

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大きな葉とトロピカルな雰囲気が特徴のオーガスタ。
リゾートホテルでもよく見かけ、おしゃれな雰囲気と丈夫な性質から特に人気のある観葉植物ですが、美しい状態を維持し続けるのは意外に難しく、葉が破れてしまったり、うまく葉が開かないといった悩みを持った方も多いのではないでしょうか。

ここでは、そんな人気のオーガスタの自生地での様子から、その特徴と育て方のポイントを紹介するとともに、お洒落な飾り方や、よくあるトラブルの対処法まで、一挙に紹介していきます。



1.自生地から見るオーガスタの特徴

1-1.オーガスタの自生地

まずはオーガスタの自生地から見ていきましょう。

オーガスタは世界で2種の存在が確認されていて、それぞれはマダガスカルと南アフリカに自生しています。

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1-2.オーガスタの自生地での姿

続いて、オーガスタの自生地での姿をみてみましょう。

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まさに圧巻の姿。

大きく生長したオーガスタは写真でもわかるように左右交互に新しい葉を展開していきます。

このように対称的に葉を出す姿もオーガスタの特徴の一つといえます。

1-3.オーガスタの種類と名称

オーガスタはゴクラクチョウ科のストレリチア属に分類される植物で、学名を Strelizia nicolai(ストレリチア・ニコライ)と呼びます。

“オーガスタ”というのは流通名で、“天国の白い鳥”という別名もあります。

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本種(ニコライ)とは別に“ストレリチア・アルバ”とよばれるオーガスタの希少種が存在します。

ニコライに大変似ていますが、全体的に小型です。

主に花の特徴に違いがありアルバは※葉腋(ようえき)から1個しか花が咲かないのに対して、ニコライは葉腋から2~3個の花を咲かせます。

また、花冠(かかん)と言われる部分の色が違います。アルバは白い花、花冠も白、ニコライは白い花、花冠は青紫となります。

このように2種類存在するオーガスタですが、店頭で見かけるのはほとんどがニコライです。

では、なぜニコライばかりがオーガスタとして認知されてきたのでしょうか。

それは生産性の問題でした。

アルバは南アフリカの中でもごく狭い地域にしか自生しておらず、栽培もほとんどされていない為、大変希少で手に入りにくいのです。

その為、ニコライが一般的にオーガスタとして流通したようです。

流通に関わる方々も、この大きく優美な姿をオーガスタ(大きい)と言う名前で世界的に広げたかったのでしょう。

※葉腋・・・葉の付け根のまたになった部分のこと

2.オーガスタのおしゃれな飾り方

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続いて、オーガスタのおしゃれな飾り方のポイントについて紹介していきます。

大きな葉をもつオーガスタは、どんな飾り方をしても存在感があり、トロピカルな雰囲気を演出してくれます。

ここでは特に洗練された飾り方を3つに絞って紹介します。

2-1.お部屋のシンボルツリーとして飾る

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オーガスタの最もカッコい良い飾り方は、ビックサイズを部屋の隅にシンボルリーとして飾ること。

部屋の隅に飾る理由は2つ。

一つは場所をとり過ぎてしまうということ。二つ目は部屋の隅にシンボルツリーを配置することで、アイストップの役割を果たしてくれるので、部屋がすっきりして見える視覚効果を得られるからです。

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インパクトがあるため、ミドルサイズでも十分にシンボルツリーとしての役割を果たしてくれるので、初心者は扱いやすいミドルサイズから始めることをおすすめします。

2-2.シンメトリーに飾る

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インパクトが最もあるのはシンメトリー(左右対称)に飾ること。

どんな植物でもシンメトリーに飾ることで、その間に空間の中心が生まれ、部屋のバランスが良く見えるのですが、もともと存在感のあるオーガスタでそれをやるとインパクトは絶大!

商業施設やリゾートホテルでも見かけるこの飾り方、簡単な割に効果バツグンなので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

2-3.株元を装飾してウェルカムプランツとして飾る

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オーガスタの株元は葉が少ないため寂しくなりがち。

そこで株元に明るい色合いの植物を植えこんであげると、一気に華やかになります。

このように華やかでインパクトある飾り方は、玄関先のウェルカムプランツとしても最適です。

もともと暑さや寒さに強い植物なので、こちらもぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

3.元気に育つ!オーガスタの育て方4つのポイント

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オーガスタは、観葉植物の中でも丈夫で枯れにくい種類なので、初心者の方にも入門種として最適です。

以下の基本的な4つのポイントを押さえておけば、まず枯らすことはありませんので、ぜひ参考にしてみてください。

①日当たりがよく、風通しのよい場所で育てる
②水やりは土が乾いてからタップリと
③定期的に霧吹きで葉水を与える
④冬は室内に取り込み越冬させる

3-1.日当たりがよく、風通しのよい場所で育てる

オーガスタを育てるにあたり、一番注意しておきたいポイントは、置き場所の“日当たり条件です。

オーガスタに最適な“日当たり条件”を満たす場所に置けば、それ以降は元気に育っていきます。

この“日当たり条件”は文章ではわかりづらいため、写真で解説します。

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オーガスタの置き場所としてベストなのは①、②もしくは日当たりのよいベランダです。

オーガスタは日光が大好きで、日光を浴びるほど、幹が丈夫になり、光沢のある立派な葉を広げてくれるようになります。

ただし、6月~8月の特に直射日光が強烈になる季節は、葉焼けをおこすことがあるため、レースのカーテン越しなど、直射日光を遮った明るい場所に移してください。

また、オーガスタは③、④のような日当たりの悪い場所は苦手です。

③のような部屋でも、短期間であれば耐えられますが、長期間になると日光不足から茎が締まりなく伸びる「徒長(とちょう)」がおき、茎が折れたり、葉の色が薄くなってしまいます。また新しい葉も開きにくくなります。

3-2.水やり

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オーガスタは乾燥に強いため、1週間水やりを忘れたくらいでは何の問題もありません。
そう聞くと「水やりは簡単」と思いがちですが、オーガスタを枯らす原因で最も多いのが「水やり」によるもの。

水やりは「土が乾いたらたっぷりと与え、受け皿に水をためない」
このポイントだけをしっかりと守っておけば元気に育ちます。

オーガスタは水の与えすぎで根腐れをおこしやすく、簡単に枯れてしまいます。
枯らさないために必要なことは、水やりのタイミングを見極めること。

最初はタイミングがわかりづらいと思いますので、写真で説明します。

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左の写真①は、土が乾いた状態。右の写真②が水を与えた直後で土が湿っている状態です。

比較すると一目瞭然ですが、土が乾燥していると白っぽく見え、さらに触ってみると固くなっています。

「この②の状態になるまでは、決して水を与えないこと!」これを守ってください。

次に、与える水の量を見てみましょう。
土が完全に乾いたら水を鉢底から出てくるまでたっぷりと与えます。

下の写真のように、屋外では流れでるまであげ、屋内では必ず受け皿を敷くこと。

そして受け皿に溜まった水は必ず捨てて下さい。そのままにしていると根腐れの原因になりますので注意してください。

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「水は鉢底から出てくるまでたっぷり与えるということ」もしっかり頭に入れておき、水を与えるときはたっぷり与え、土が湿っている時は与えない!このメリハリをきっちりとつけましょう!!

夏は土が乾いたことを確認してから2~3日

冬は土が乾いたことを確認してから1週間~10日あけてから水やりをすると良いでしょう。

3-3・定期的に霧吹きで葉水を与える。

水やりとセットで覚えておきたいのが葉水です。
葉水は霧吹きで葉に直接水を吹きかけることを指します。

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オーガスタは特に葉の表面積が大きく、葉につやがあるほど美しく見えます。
葉水はつやのあるイキイキとした葉を育て、病害虫を防ぐ効果があるので、できれば毎日葉水を与えてください。

3-4.温度条件

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オーガスタは赤道近くの植物ですので、夏の暑さに強く、同時に「耐寒性」にも優れています。

個体差もありますが、越冬は2~3℃あれば可能です。南部地方(九州など)では、屋外でも越冬することがあります。

しかし、オーガスタの葉に雪や霜が当たると凍傷になってしまう恐れがあります。最低気温が5℃前後になってきたら室内に取り入れることをオススメします。

4.オーガスタのよくある6つのトラブル対処法

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丈夫な性質のオーガスタですが、育てていると、新芽が開かなくなったり、葉がびりびりに破けてしまうといったトラブルが起こります。

ここではオーガスタによく起こる以下の6つのトラブルとその対処法を紹介します。

①葉が破れてきた
②新芽がうまく開かない
③葉の色が薄くなってきた
④オーガスタの植え替え
⑤鉢底から根が出てきた
⑥白い綿のようなものが発生した

4-1.葉が破れてきた

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オーガスタは風を受けると折れやすく、それを防ぐ為に自然と葉を割って風を受け流し、抵抗を少なくするためとも言われます。

でも見た目が気になる場合は、下の写真の要領で、葉をカットしてみましょう。

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このように葉先をにカットすることで、葉の大きさは小さくなりますが、見た目が格段に良くなります。

4-2.新芽がうまく開かない

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新しい芽が出てきたけれど葉がうまく広がってくれないくれないことがあります。

様々な要因が考えられますが、主な原因は日照不足によるものだと考えて良いでしょう。

なかなか自力で開ききらないときの対策として、手で少し開けてあげると後は自力で開いていきます。

その際、葉を破かぬように濡らしたタオルなどで閉じている新芽を全体的に拭くと開きやすくなります。

4-3.葉の色が薄くなってきた

オーガスタは育てていると葉が黄色く変色してくることがあります。

その場合は変色した葉を根元から切り落としてあげましょう。

切り落とす際に注意したいことは、“古い葉”から順に切り落としていくということ。

では古い葉をどうやって見分ければよいのかということですが、下の写真で説明していきます。

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オーガスタは左右交互に葉が展開する性質を持っています。

上の写真では7の葉が最も古く、数字が小さくなるにつれて新しい葉になり、1の葉が最も新しい葉ということになります。

下写真・左のように黄色く変色した葉は、古い葉から順に下写真・右のように根元から切り落としてください。

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葉が変色する原因として日照不足や栄養不足(肥料不足)などが考えられますが、下の古い葉からこのように黄色く枯れていくことは生理現象でもあるため、あまり気にされなくて良いでしょう。

一度悪くなった葉色が良くなることはありませんので、思い切って切り落としましょう。

新しい芽が枯れてきた場合は“根腐れ”の可能性がありますので、水やりの間隔や置き場所・環境をもう一度見直してみてください。

4-4.オーガスタの植え替え

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日光条件がよくて、水やりもきちんと行っているのに、オーガスタの葉色が悪くなってきたり、元気がなくなってきているようであれば、植え替えを検討してください。

まず植え替えが必要かどうかを知るために、以下の状態になっているかをチェックしましょう。

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一つでもチェックがつけば植え替えのタイミングです。

オーガスタは購入から2年もたてば、鉢の中が根でいっぱいになってしまいます。

鉢の中が根でいっぱいになると、土の中の酸素が不足し、根が腐ったり、土の中の養分が不足し葉の色が悪くなったりします。
そこで上記のような兆候が見られたときが植え替えのタイミングになります。

植え替え時に注意するポイントは以下の通り

①植え替えに適した時期は5月中旬から9月中旬まで
②バランスにあった鉢を選ぶ。
③適した観葉植用の用土を使う

植え替え方法・手順については『観葉植物の植え替えで絶対に注意しなくてはいけない3つのこと 』で写真付きで説明をしていますので、そちらをご参照ください。

4-5.鉢底から根が出てきた

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オーガスタを長く育成していると写真のように、鉢の底からたくさんの根が出て、鉢自体がグラグラしたり、陶器の鉢が割れてしまったなんていうトラブルがおきます。

オーガスタは下の写真を見ても分かる通り根の発育が大変旺盛で、太くて強力な根を持ちます。このような場合は根をカットするか植え替えをしてあげましょう。

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4-6.白い綿のようなものがついている

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オーガスタには写真の丸で囲っている白い綿のようなものがつくことがあります。

これはオーガスタに最もよく発生する“コナカイガラムシ”と言う害虫です。

対処法は濡れた雑巾等で拭き取るのが一番早いです。その後、以下の薬剤を散布するとさらに害虫を防ぐことができます。

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ほっておくと葉がベトベトになり、葉が黒くすすに覆われたようになる“すす病”を誘発することがあります。

発見したらできる限り早い段階で対処しましょう。

その他の害虫トラブルの対処法は「観葉植物に発生する虫トップ10を一瞬で全滅させる方法 」をご参照ください。

5.まとめ

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ここまで、オーガスタの飾り方から、育て方、トラブル対処法に至るまで幅広く紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ここで紹介しているポイントをおさえて育てていくことで、オーガスタは美しく元気に育っていきます。

今後もオーガスタのことで悩んだときは、ぜひこの記事に戻って参考にしてみてください。



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コメントはこちらからどうぞ

  1. 匿名 より:

    大変勉強になりました。自己流で育てていたので教えて頂いてよかったです。ありがとうございました。

    1. 石橋瞬 より:

      匿名 様
      メッセージ、並びにお褒めのお言葉をいただき誠にありがとうございます。
      こちらといたしましても、匿名様のお役に少しでも立つことができたのなら、大変光栄でうれしく思います。

      匿名様のオーガスタも、今以上に元気に活き活きと生長することをお祈りいたしております。

  2. ヤマザキ より:

    はじめまして。
    植物が大好きで長年多数の植物を育てております。

    こちらのサイトはとても勉強になりますし、また画像が美しく癒され、何度もお邪魔させていただいています。

    ひとつお聞きしたいことがあります。
    ストレリチアですが、2年前の4月に簡易ポットに入り手のひらに乗るような小さなストレリチアを購入しました。
    すぐに植え替え、他の鉢と同じように育てておりましたが、現在180センチほどの高さに成長し、今も新しい葉が伸びてきてます。
    何年もしないで天井に届いてしまうと思うのですが、そこで2年ぐらい様子をみて新葉を切り成長を止めようと考えているのですが、そのまま育てていると株元から子株が出てきますでしょうか?

    宜しくお願いします。

    1. 石橋瞬 より:

      ヤマザキ 様
      メッセージありがとうございます。

      2年もの間でそこまで成長したとは、とても育て方がお上手なのですね!
      オーガスタの場合、新芽(成長点)をカットしてしまうと、成長が止まると同時に、いずれその株は枯れてしまいます。

      子株については、ネットなどでも成長点を潰すと子株が出ると書いてあることは見かけるのですが、やはり日照条件・根の状態や健康状態にも大きく左右されるので、必ず出てくるとは言い切れないでしょう。
      さらに、このやり方なら確実に子株が出るという方法についても、力不足で申し訳ないのですが、私は耳にしたことは無いし存知あげません。

      成長点をカットし子株が出るのを待つというものは、一か八かという部分になってくるのかと思います。

      また、別の角度から見ますと、オーガスタは、光が不足したり、水やりの間隔が狭すぎるとすぐに徒長してしまいます。
      現在、どのような場所で育成されているのかはわかりませんが、光も多く、水やりも間隔を空けて乾燥気味の管理されることにより、茎の短い締まった葉が出てるようになります。そちらも意識され今後の育成の参考になれば幸いです。

      曖昧な部分が多く、的確なアドバイスとはならず申し訳ございません。
      ヤマザキ様のオーガスタがしっかりと子株を出してくれ、今後とも元気に活き活きと成長することを心よりお祈り致しております。

      1. ヤマザキ より:

        石橋さん、お忙しい中アドバイスいただき感謝いたします。

        オーガスタの新葉部分を切るのは良くないようですね。
        私はモンステラなどのように茎を切れば株元から新芽が出るのでは?と思っておりました。勉強になりました!

        現在オーガスタはベランダサイズの窓のそばに置き、透明ガラス越しの日光を浴びる状態にあります。他にベンジャミンやユッカなどもそばに置いてます。
        水やりは他の観葉植物の水やり2~3回に1回程度に控えてはいるんですが、今後も徒長には注意し育てていこうと思います。

        ありがとうございました。

        1. 石橋瞬 より:

          ヤマザキ 様
          ご丁寧のご返信いただきありがとうございます。

          オーガスタの他にもたくさんの観葉植物を育成されていらっしゃるのですね!
          ベンジャミンは水を好く吸います。また、ユッカもオーガスタ程ではございませんが同様乾燥には強いので、今後の水やりのご参考までになれば幸いです。

          これからも、お持ちも全ての観葉植物が元気に生長してくれることをお祈り致しております。

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